研究概要 |
平成13年度の研究成果は次の通りである。 1.50名の成人男子右胴部の石膏体雌型を作製,そのうち49名に設定した基準の181点の3次元座標値を3次元デジタイザで計測,鏡面写像法を用いて全身座標値を求めた。昨年度の101名と合わせて150名の胴部体表面を三角形近似多面体として,各頂点での"角度θ"から点集中のガウスの曲率Kc(2_π-Σθ:可展面か非可展面かを判断)と点集中の測地的曲率kc(_π-Σθ:境界線の展面面の形状を示す),及び点集中の平均曲率Mc(Σ_<φ1>/2×L_1…Σ_φn/2×Ln)/2:曲面の折れ具合を判断)の3つの曲率を算出,各曲率の組み合わせによる曲面形状から,男子の胴部曲面形状の特徴を女子と比較して把握した。各頂点での曲率を色表示と境界線のkcの展開図をシミュレーション化し視覚的にも個々の体形情報が提供できるようにした。 2.150名の3次元上での衣服設計として凸包による立体裁断の自動化を昨年と同様に行った。上下判定法による凸包から体表面の凸点を抽出して凸面を形成,非凸点を凸面に法線写像して胴部体表面と同様の近似多面体を"3次元密着包衣"として自動算出してシミュレーションで示した。胴部体表曲面と同様に3つの曲率での特徴とその色表示と展開図を作成して,胴部体表面と比較したときの密着包衣の特徴を女子と比較も踏まえ抽出した。また胴部体表曲面と密着包衣との間の空隙量を体積で算出,着心地情報として提供可能とした。 3.150名の胴部体表面と密着包衣の各3つの曲率の組み合わせによる主成分分析を行い,各3次元曲面形状の特徴要因を把握し,体型および密着包衣形状分類を試みた。 4.151名の胴部体表面の基準線の"長さ"を計測,長さによる立体裁断的密着衣服原型(密着衣)を既に開発していた予測式を用いて自動平面製図し,シーチングで裁断して石膏体上で適合性を確認後,密着衣と体表面の基準線の長さの差の空隙寸法(密着衣に表出した体表曲面形状の特徴)を算出した。密着衣の各ダーツと境界線を閉じた閉曲面を想定して,曲面幾何学の理論を利用したダーツと境界線の角度のガウスの曲率による保存則を導いた密着衣曲面形状特徴抽出のための新しい方法を提案した。男子の密着衣曲面形状の特徴を空隙寸法とガウスの曲率により女子と比較して把握し,主成分分析により密着衣形状の分類をした。 5.3次元胴部密着包衣および密着衣の角度による曲率による曲面形状の分類を比較して,これらの形状別の体型の特徴を抽出して体型別のパターン自動作成を曲率および長さにより究明した。
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