研究課題/領域番号 |
12480042
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
小林 辰至 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (90244186)
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研究分担者 |
白根 福榮 広島大学, 教育学部, 教授 (00033639)
土井 進 信州大学, 教育学部, 教授 (30242663)
羽賀 敏雄 弘前大学, 教育学部, 教授 (00142828)
岡野 勉 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (30233357)
濁川 明男 上越教育大学, 学校教育総合研究センター, 助教授 (10293268)
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キーワード | 教員養成 / フレンドシップ事業 / 教育実習 / 実践的指導力 / 教員養成カリキュラム |
研究概要 |
1.教員養成課程体験的カリキュラムとしてのフレンドシップの類型 平成12年度に実施したアンケート調査結果に基づき、全国のフレンドシップ事業が5つに類型化できることを明らかにした。 2.類型別フレンドシップ事業の教員養成における教育効果 (1)弘前大学教育学部の社会教育参画型フレンドシップ事業が、教員養成プログラムとして意味のあることを学生のエゴグラムや感想文の分析から実証的に明らかにした。 (2)熊本大学教育学部の学生企画型フレンドシップ事業が、「子どもを見る眼」および「企画力」を育成する上で有効であることを明らかにした。 (3)信州大学の「信大YOU遊広場」と「全国フレンドシップ活動」を事例に、フレンドシップ事業の教育的効果を考察し、子ども理解や指導方法の基礎の獲得、企画力・想像力の育成、そして他大学との交流へという体系を導き出した。 (4)教育実習とフレンドシップ事業を対比し、フレンドシップ事業での学生の「学び」について、(1)実践の目的や内容をトップダウンではなく、自ら考える姿勢と力の育成 (2)定型がない一型に対する修正可能という暗黙知の生成 (3)実践は、子供達と実践に関わる仲間とともに創るという認知の生成 の3点を指摘した。 3.教育実習カリキュラムの改革動向 (1)「教育実習を柱とする体験的カリキュラムに関するアンケート調査」の結果にもとづき、1年次〜4年次生を対象とする教育実習カリキュラムについて、その全国的動向と特徴を整理した。 (2)教員養成大学・学部の2年次生および3年次生を対象とする教育実習カリキュラム編成について、「教育実習を柱とする体験的カリキュラムに関するアンケート調査」の結果にもとづいて全国的動向と特徴を整理した。 4.教員養成大学・学部における体験的カリキュラムの体系的構築の枠組みに関する提案 「人間の成長・発達についての深い理解」「教科等に関する専門的知識」の修得を目指す「学問」(Scholarship)、「教育者としての使命感」「幼児・児童・生徒に対する教育的愛情」を涵養する「教師学」(Educatorship)、そして「広く豊かな教養」からにじみ出る「友情」(Friendship)の三つの枠組みを視野において、21世紀の教員養成カリキュラムを体系的に構築する必要があることを指摘した。
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