研究概要 |
本研究の初年度においては携帯電話などのモバイル通信端末を所持する聴覚障害学生を対象に,広い意味での学習情報を提供するシステムを構築し,試験運用と評価を行った.また,キャンパスインフラの在り方に関する検討材料とするため,全学生を対象にアンケート調査を行った. (1)情報提供システムの構築 情報提供システムの中核となるサーバマシン(Windows 2000 Server)及びアプリケーション開発・検証用のクライアントマシンを購入し,学内LANに接続した.種々のWebアプリケーションを開発して,a)掲示板,b)Webメールサービス,c)学習コンテンツの提供,を実現した。 (2)掲示板とWebメール 掲示板にはいくつかのカテゴリを設定し,教員からの連絡,図書館からのお知らせ,学内イベント情報などを掲示している.また,学内のメールアカウントに着信したメールを携帯電話から読んだり返信するWebメールサービスも提供している. (3)学習コンテンツの作成 学生の学習そのものに役立つ情報提供の一例として,"IT略語辞典"を構築した.データベースに登録したIT関連の略語の正式な綴りと意味を,携帯電話やパソコン(PC)のWebブラウザから手軽に検索することができる. (4)システムの検証と評価 学生と教員のモニタに計16台のiモ-ド携帯電話(NTTドコモ)を3ヶ月間貸与し,本システムを評価・検証してもらった.モニタからはオンラインアンケートを通して意見・感想を寄せてもらった.これらの意見はシステムの改良に役立てられた. (5)アンケート調査 本学の聴覚障害学生全員を対象に,モバイル活用と情報保障に関する実態調査を行った.その結果,学生は本研究のようなシステムを歓迎しており,多様な情報提供を期待していることが分かった.
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