研究概要 |
本研究の第2年度の主要実績は以下の通りである. 1.ワイヤレス自営網の構築 自営網対応のモバイル通信端末(内線登録可能なPHSカード)へ学習情報を提供するシステムはキャンパスの8箇所に設置されたPHSアンテナからPBX(PHS回線交換機)を経由して,既存の学内LANへ接続されている.このため,モバイル通信端末からの要求に応じて,Webサーバ(前年度購入済)から種々の情報を提供することが可能となった. 2.学習情報コンテンツの作成 携帯電話及び自営網端末ユーザへ電子掲示板を経由して教務・事務情報を提供するとともに,"IT略語辞典"を充実させた.また,携帯電話側で学習教材を動的に利用できるようにするため,種々のJavaアプリケーションを開発し,サーバにアップした.この結果,端末とサーバ間の通信回数が減るなど,公衆網接続の端末に対しても経済的な情報提供が可能となった. 3.学生・教職員を対象にした情報保障インフラに関する調査 パソコン及び携帯電話から本研究による情報提供システムを利用している聴覚障害学生に対してオンラインアンケートを実施し,本システムの使用感,提供している学習コンテンツ,モバイル通信端末の活用等に関して調査と評価を行った.また,内線登録したPHS通信カードを学生及び教職員に貸与し,ワイヤレス自営網による情報提供について意見を聴取した. 4.海外動向の調査 本研究の成果を国際会議で発表するとともに,諸外国の研究者と交流することにより携帯電話等の活用状況を調査した.この結果,この分野での日本の優位性が明らかになった. 5.情報保障インフラとしての展開 展開研究として,災害などの非常時を想定した聴覚障害学生の安否確認システムを試作し,モバイル通信端末を活用した情報保障インフラが有効であることを確認した.
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