研究概要 |
本研究の最終年度の主要実績は以下の通りである. (1)学習情報リソースへの統合的なアクセス Webサーバ上に構築した学習情報提供システムは,(1)公衆網経由による携帯電話ユーザ,(2)PHS自営網経由によるモバイル端末ユーザ,(3)インターネット経由の学内外PCユーザ,のいずれに対しても最適な学習情報コンテンツを配信できるようにした(アクセスしたクライアントの環境変数を取得するサーバサイドアプリケーションを作成し,コンテンツの自動振り分けも可能とした).一方,PCクライアントのブラウザから利用できるFaxサーバソフトをWebサーバにインストールし,LAN経由でFax通信を試みた.この結果,異なるインフラである電話網とLANをシームレスに接続できることを確認した. (2)学習情報コンテンツの作成 Javaプログラミングにより就職試験対策のための問題集を開発し,試験的に携帯電話ユーザ(学生)の利用に供した.また,このJavaアプリケーションにサーバとのHTTP通信機能を持たせることにより,サーバのデータベースに学生の得点を記録することや,ランキングを携帯電話側へ通知できるようにした.これにより,得点に応じた教材配布などの動的な展開が可能となった.一方,初年度から実装しているIT略語辞典を充実させた. (3)アンケート調査 携帯電話ユーザ及び自営網ユーザ(本研究で購入したPHSを貸し出した)に対してアンケート及び面接調査を行い,Javaアプリケーションなどの学習情報コンテンツの評価や情報保障インフラの評価を行った.これらの評価は改良のために役立てられた. (4)国際会議での成果発表と海外動向の調査 本研究の成果を聴覚障害教育に関する国際会議(台湾)で発表した.また,各国の研究者とモバイル通信端末の聴覚障害者への利用に関して意見交換するとともに,海外の実情を調査した.
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