研究分担者 |
鈴木 昌和 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20112302)
大武 信之 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター, 助教授 (10223851)
藤芳 明生 茨城大学, 工学部, 助手
岡本 正行 信州大学, 工学部, 教授 (50109196)
木村 真治 関西学院大学, 法学部, 助教授 (40225040)
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研究概要 |
大学入試センター試験等,障害を有する受験生に対する試験方法を抜本的に改善するため,通常の試筆テストより短時間に効率よく測定可能な適応型コンピューターベースト・テスト(CBT : Computer-Based Test)を試作した. 障害受験生に対するセンター試験の試験時間延長率の定量的推定法の研究の結果,国語等問題文の量が特に多い科目は試験時間をさらに延長する必要性が見いだされた.しかし,2日にわたるセンター試験の日程では試験時間をさらに延長することは困難である.また実験の結果,ペン・コンピュータで開発したCBTと通常の試筆テストの成績は比較可能であった.このため,試験方法を抜本的に改善するため適応型CBTを研究した. 障害の種類と程度とに応じたユーザ・インタフェースを備えたCBTのテスト・システムの開発を進めた.重度の視覚障害受験生には,問題を触読図を含め自動的に点字印刷して出題し,点字ピン・ディスプレイ上の電子マークシートで解答を求める.弱視受験生にはペン・コンピュータ上に表示する拡大文字問題の最適な文字フォントと文字サイズを研究した.また,読字が困難な中途失明者や学習障害者にはデジタル音声による出題が可能であることを明らかにした. センター試験の過去問を活用してCBTの項目プールの構築作業を進めた.国語・数学・英語の3教科の過去問のデジタル・テキスト化を研究した.項目反応理論により過去の成績ファイルを分析して各年度の問題間の難易度の差異を推定した.また,大学1年生約120名を被験者としてセンター試験の年度間の難易度差を等化する実験を実施した.また,センター試験は大問形式であるためテストレット型の項目反応理論の研究を進めた. 今後,CBTの動作テストを進める.また,適応型CBTと通常の試筆テストの成績の比較可能性に関する評価実験は今後の課題とする.
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