研究課題/領域番号 |
12480050
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
滝沢 かほる 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (90089251)
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研究分担者 |
坂下 玲子 熊本大学, 教育学部, 助教授 (20178552)
小黒 美智子 新潟青陵女子短期大学, 幼児教育学科, 教授
岡本 芳三 東亜大学, 工学部, 教授 (10194408)
鴨井 新生 東亜大学, デザイン学部, 教授 (90233981)
山崎 健 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (50092739)
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キーワード | 動きの教育 / 体操の概念 / リズム体操の指導法 / 心と体の統合 / 運動プログラムの開発 / 身体運動の可視化 / 三次元身体運動解析 / サーモグラフィー法 |
研究概要 |
(1)心と体の統合をめざした体操の概念の調査:フィンランドのエリ・ビョルクステンは、体操の目的を心と身体の調和におくと同時に、身体を調和と美をもって発展させ、魂の力を呼び起こそうとした。ヒルマ・ヤルカネンは体操のねらいを「健康、力、調和」と「生きる力、人間としての生の喜び」を発展させることにおき、人間の魂の復活をめざした生き生きとした心のこもった「全体的な動き」を用いた。このような心と身体が一体化された「全体的な動き」は「中心から抹消に流れをもって伝わる」とした。以上フィンランドを中心とした体操の概念を明らかにし、更に運動内容を調査した。 (2)運動プログラムの作成:「全体的な動き」をめざすリズム体操の一連の運動を構成し、その指導過程と指導資料を作成した。ここでは、具体的に学習段階を「動きの多様性」「動きの工夫」「動きの質の向上とし、それぞれ「思いきり動くことを楽しむ」「工夫の仕方を知り発展させる」「よい動きを身につける」ことをねらいとした。また動きの質の向上をめざした学習カードを作成し、よい動きの理解を深め興味を向けさせるよう試行した。 (3)小学校・大学での指導実践:小学校高学年対象に5校約400名、大学生130名を対象とした「全体的な動き」をめざすリズム体操指導実践した。小学校においては、子供たちに「リズミカルに動く楽しさ(動きの多様性)」を体験させ、「動きの工夫」の中で主体的な取り組みがみられた。「動きの質の向上」の面では、教師の指導とより具体的な場の工夫の必要性が明らかになった。大学生においては、「動きの質の向上」に興味関心が高く、「主体的取り組み」「学習意欲」「楽しさ」などの点に効果がみられた。心と体の統合をめざすプログラムの具体的方向性と問題点が明確となった。 (4)分析方法の検討:人体の運動の可視化について、DLT法による3次元動作分析および赤外線による人体各部の表面温度の分布との同時解析の可能性について基礎研究を行った。その結果単に運動分析にとどまらず、教育評価を含む境界領域への応用が可能であることが明らかとなった。 その他、子供たちの「気分」の状態を測定すべく、心理的調査法としてのPOMSを参考に、小学生向けの調査用紙を作成し検討を行った。今後の検証に向けての課題を明確にした。
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