研究分担者 |
坂下 玲子 熊本大学, 教育学部, 助教授 (20178552)
小黒 美智子 新潟青陵女子短期大学, 幼児教育学科, 教授 (60341989)
岡本 芳三 有限会社テーシーエー, 研究開発部, 部長(研究職)
清水 勲 茨城工業高等専門学校, 機械科, 教授 (80042464)
山崎 健 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (50092739)
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研究概要 |
(1)心と体の統合をめざした体操の概念の調査 クラーゲスのリズム論,ボーデのリズム体操,メダウの全体的な体操について、その歴史的哲学的背景と体操の方法について調査し、リズム体操の心身両面からの本質的価値を探った。 クラーゲスはリズムを機械的な繰り返しではなく、人間の生の根源に関わる魂の発現の一方法であるとした。ボーデはクラーゲスの理論を背景に、生命現象としてのリズム体験によって精神的肉体的抑制から解放され,心と体が統合した人間本来の姿を取り戻すとして、「リズム体操」を提唱した。メダウは,体操を「全体的な動きの教育」と位置づけ、こころとからだの統合(全体性)を体操の最終目的とした。 学習指導においては,リズミカルな動き経験するとともに、からだの正しい使い方を学び、よい動きとし質的に局める練習の中で、こころから動く喜びを知り、楽しみながら結果として総合的に体力を高めていく方法が再確認された。 (2)運動プログラムの指導実践・効果の測定と検討 新潟県内小・中・高等学校9校に昨年度作成・修正した運動プログラムの指導実践を依頼し、その効果を心理学的・モロフォロギー的・運動生理学的アプローチから探った。その結果本プログラムは,子けどもにとって楽しいものであり,運動量も充分であった。また,教師にとっても,内容が明確で、リズムに合わせた動きが個人差を吸収して苦手な子どもも喜んで参加するので実践しやすいと言う結論に達した。動きの質については、振りの幅、リズミカルな各種のステップ、音楽と動きとの融合、膝の屈伸に顕著な高まりが見られた。 (3)身体運動の同時可視化 身体運動の緊張と解緊のスムースな交替の可視化を運動工学的アプローチから行った。赤外線映像装置とデジタルビデオを用い,歩行運動と振動・回旋運動時の人体の可視および赤外線による同時可視化の実験を行い,簡便な測定方法を探るための貴重な基礎資料を得た。
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