研究概要 |
平成12年度は、群馬県、福島県、茨城県、高知県、埼玉県、青森県の初任者研修会、5年次ないし10年次研修会、および文部省指導者講習会に参加した中学校・高校現職教員計344名に対して「自己研修に関する実態調査」を行った。その結果、「日常的に自己研修をしている教員」の数は、そうでない教員の数より少ないものの、「自己研修の必要を感じている教員」の数は、「感じていない教員」の数より圧倒的に多いことが判明した。また、同時に教員が望んでいる自己研修の目的は、(1)「英語のコミュニケーション能力を高めるため」、(2)「授業力を高めるため」、(3)「総合的な英語力を高めるため」が圧倒的な多数を占めることも明らかになった。平成13年度は、前年度の調査結果を踏まえて、調査の規模を拡大し全国調査を実施した。調査対象校として中学校1,891(全国11,191校の16.9%)および高校1,110校(全国5,479校の20.3%)の計3,001校を抽出し、多肢選択法によるアンケートを行った。平成14年度はアジア近隣諸国の先進的研修プログラムを調査した。調査対象国としては、中華人民共和国(中国)とシンガポールを選定した。特に、中国においては政府教育部、師範大学、師範学院等の諸機関に赴き、言語政策、教員養成・現職教員研修の責任者に面接調査を行い、関係資料・情報を入手した。また同時に、これと並行して、国内では「英語教員が備えるべき教授力」について国内外の文献研究を行った。平成15年度では、全国的に実施された「英語教員集中研修」の受講者を対象に、「研修直後」のアンケートと研修「2ヶ月後」のアンケート調査を実施した。研修を受講した教員の意識の変化を探り、よりよい研修を策定するための基礎資料を入手するために行った。「研修直後のアンケート」は、「英語運用能力の向上に関する項目」、「授業方法の工夫の関する項目」、「授業の反省・評価・計画・準備の工夫に関する項目」、「専門知識や指導技術に関する項目」、「研修の自己評価に関する項目」および自由記述を含め25項目、「研修2ヶ月後のアンケート」は、「授業外の英語使用量に関する項目」、「授業方法の工夫に関する項目」、「授業の反省・計画・準備の工夫に関する項目」、「自己および協同研修に関する項目」の23項目から成っている。これらの年度の調査及び研究の結果は単年度毎に「研究成果報告書」としてまとめた。
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