研究概要 |
本研究は2000年6月までの「アメリカ合衆国憲法判例」(14,531件)すべてを、コンピュータに入力してコーパスを作成する。それを基礎データにして、アメリカ憲法判例で使用されている英語を、コーパス言語学と英語教育学の方法論を用いて分析し、アメリカ憲法判例研究のためのESP辞書を作成するものである。 研究の2年目となる、2001年度は「アメリカ憲法判例」における語彙の使用頻度およびその形態を調査し「アメリカ憲法判例」を学ぶためのESP語彙を選定する準備段階の第2期であった。 (1)学会発表:一般的な語彙が専門的な語義で使用されているものについては、使用語義、使用文型、コロケーションおよびその使用頻度を、コンピュータを用いて分析した結果をLanguage for Specific Purposes '99という学会(バーサ大学:フィンランド)で寺内 一(高千穂大学)と鳥飼慎一郎(立教大学)による共同口頭発表を行った。本発表は『高千穂論叢』第37巻第1号に掲載される(2稿校正済)。 (2)データベース構築:本研究を進めていくにあたって取り組まなければならないのが「データベース構築化」である。データベース構築の意義はすでに述べたとおりである。2001年度はこのデータベース構築を主眼に、判例のデータ整理を行った。まずダウンロードしたテキストデータを収めた400枚以上分のフロッピーを読み込んで1フォルダーにまとめる作業から始めた。しかし、構築化にあたっていくつかの問題点が生じた。ダウンロードしたデータは受信時のヘッダーがついている、ケース番号が必ずしも年代順にはなっていない、テキストデータのためファイルによって改行などの書式が異なるなどの問題から、オリジナルのデータをそのまま「ファイルメーカーPro」に取り込むことが難しく、取り込んだとしてもエラーの発生率が高くなってしまった。そのため以下の手順でデータベース化を行った。 1)5件ずつにまとまっているファイルを1ファイル1データというかたちで細分化する 2)細分化したデータの「ファイルメーカーPro」への取り込む 3)エラーがでたレコードを整理、修正する。
|