研究課題/領域番号 |
12480062
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大森 宏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (10282691)
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研究分担者 |
高野 泰 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (40012009)
羽生 和紀 日本大学, 文理学部・心理学科, 助教授 (00307787)
安達 めぐみ 東京農業大学, 農学部, 非常勤講師
林 知己夫 統計数理研究所, 名誉教授 (50000188)
岸野 洋久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00141987)
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キーワード | 庭景観 / バーチャルガーデニング / 嗜好計測 / 印象計測 / 環境推論 / 国際比較 / 環境の意味 |
研究概要 |
園芸植物を用いてどのような屋外景観を個々人が各家庭で形成させているかの実態調査を、住宅地図や電話帳を用いた無作為抽出により、イタリア・トリノ市(29件)、ドィツ・フライジング市(40件)、および英国・エジンバラ市(15件)において行った。調査内容は、対象家庭を訪問し、庭の景観写真の撮影、住人への園芸植物の好みなどのアンケート調査である。 東京農業大学、日本大学、レディング大学、ミュンヘン大学の学生を被験者にして、日本と英国の個人の庭を昨年収集した写真を用いて識別させる実験を行った。この結果、日本人学生は日本の庭、英国人学生は英国の庭をよく識別できるが、ドイツ人学生は識別力が弱かった。また、日本大学の学生に比べ、東京農大の学生の方が識別力が高かった。経験の有無が庭景観の識別に影響を与えていることが示された。 パソコン上でゲームのように行えるバーチャルガーデニングシステムを完成させた。これは、被験者が57種類の草花を自由に選んで、パソコン画面上に花壇を好きなように作成してもらうシステムである。このとき、花壇の中で、どの花をどの位置にどの時刻に植えたかが自動的にパソコンに記録される。このシステムで被験者がどのような花を選び、どのように配置させたかを解析することで、被験者のもつ草花への嗜好が解析でき、嗜好の国際比較も行える。 東京大学農学部の学生やミュンヘン大学の学生、および園芸業者の従業員らに花壇を作成してもらった。このデータから、ドイツ人はダリアなどの赤や黄色のおおぶりの花を好む傾向にあるが、日本人は淡い色の花を好む傾向にあることがわかった。また、日本人の方が花の配置に規則性があり、ドイツ人の方がランダムに植える傾向にあった。このように、日本人とドイツ人で色合いの好みや配置パターンに違いがあることがわかった。このデータをマーケティングに活用する方法を研究することが今後の課題である。
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