研究概要 |
半構造マルチメディアデータベースにおける類似検索に関して,今年度は特に以下の点を中心として研究を行った. 1.XMLデータベースの検索のための例示的なインタフェース機構のための技術開発:XML(Extensible Markup Language)は,インターネット時代の情報記述・交換のための汎用言語として広く用いられてきており,各種関連技術の開発が急務となっている.この研究では,問合せ言語などに詳しくない一般のユーザがXMLデータベースに対して問合せを行うことを支援するためのインタフェース技術の開発を行っている.ユーザが対話的に例を提示することで,システムはユーザが意図する問合せを導出する.この研究成果についてはWISE国際会議などで発表済みである. 2.拡張可能XML問合せ言語の開発とその応用:これまで,XML問合せ言語に対象領域に適応するための拡張性機構を導入したX^2QL問合せ言語の開発を行ってきた.今年度は特に,その拡張機構の詳細化についてさらに検討を進めた.これについては11月のWISE国際会議などで発表を行った.また,X^2QLと親和性の高いプログラミング言語X^2PLを開発し,X^2QLとの組合せによるWebアプリケーションの記述を可能とした.本手法は,XMLデータを入出力とする各種Webアプリケーションを統合化したメタアプリケーションの構築において役立つものと考えられる.本研究の内容についてはDEXA国際会議で発表を行っている. 3.タキソノミ情報を用いた高精度なWeb検索手法の開発:一般にWebサーチエンジンを用いたWebページの検索においては,ユーザはわずかな数のキーワードしか指定しないといわれ,少ないキーワードに対して精度の高い検索結果をどう提供するかが問題となっている.本研究では,Yahoo!などに見られるWebページの分類情報(タキソノミ)をWeb検索の補助に用いて精度を向上させるための手法を開発した.ユーザはまずタキソノミの階層の中からユーザが興味のある分野に対応するノードを選択して検索システムに伝え,その後検索システムに対しWeb検索キーワードを指定する.検索システムは,ユーザが指定したタキソノミ情報を考慮して,与えられたWeb検索キーワードに対する問合せ展開(キーワードの付与など)を行い一般のWebサーチエンジンに問合せを発行する.これにより,ユーザの意図に応じてより検索対象を絞り込んだ検索が可能となる.この研究成果については国際会議において発表を予定している.
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