研究概要 |
本年は,複数焦点ズーミングインタフェースの応用として,主に以下の2項目に関する研究を行った. 1.ファイルシステムブラウザ 複数焦点ズーミングインタフェースを有するファイルシステムブラウザで.以下の3種類のナビゲーション機能を実現する手法を考案した. (1)ディレクトリの親子構造にそったナビゲーション (2)キーワード検索によるナビゲーション (3)類似ファイル検索によるナビゲーション また,これらの機能を実現するプロトタイプシステムを作成した.このプロトタイプでは,ナビゲーションを焦点の移動(生成・消滅を含む)により表現する.焦点箇所と同時に,焦点箇所を含むディレクトリの構造がコンテクストとしても概形表示される. 2.ビジュアル言語用デバッガ プログラムの全実行過程を1枚の巨大な絵で表現し,ズーミングインタフェースを用いて,この絵の必要箇所に焦点をあて閲覧するトレーサを作成した.このトレーサにより,プログラム実行の任意複数箇所とそのコンテクストを同時に表示し,さらにナビゲーションを行うことができる.プログラムのデバッグとは,バグの症状が発生した箇所からバグの原因が存在する箇所へのナビゲーションに他ならないので,このようなシステムにより効果的なデバッグが可能となる. ただし,このトレーサの適用対象は,宣言的ビジュアル言語に限定される.また,今年度の段階では,スケーラビリティにまだ限界がある.
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