研究概要 |
今年度は,複数焦点ズーミングインタフェースの応用として,少人数によるソフトウェア設計・実装・テスト作業を支援するシステムのプロトタイプを構築した.技術的に以下のような特徴を有している. 1.80インチの背面投射型スクリーンと4台のプロジェクタを用い,仮想的に2048×1536の大画面を実現している. 2.スクリーンの前面に超音波センサーを取り付け,ペン入力を可能としている. 3.スクリーン上にUML図を表示し,さらに複数焦点ズーミングインタフェースの技術を用いて,必要箇所の拡大表示を可能とする.UML図のメソッド部分を拡大すると,メソッド定義を表示することもできる. 4.スクリーン上には,vncプロトコルを用いて,さまざまなアプリケーションの実行画面をレイアウト表示することもできる. このシステムを用いて,二人の協調作業時に現われるさまざまなインタラクションを以下のように支援することができる. 1.二人が対等な立場で設計上の議論を行う時には,仮想ホワイトボードとして利用することができる. 2.一人がコーディング等の作業を行ない,もう一人がサポートに回る時には,前者はデスクトッフ環境でキーボード等を用いて通常の作業を行なう.この時,作業画面とそのコンテクスト情報を大画面に同時表示することにより,後者のサポート作業が円滑に行える. 3.二人が独立にコーディングなどの作業を行う時には,両者は別々のデスクトップ環境を用いる.ただし,この作業画面を大画面に同時表示することにより,お互いに相手の作業状況を確認しながら作業を遂行できるようになる.
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