研究概要 |
本年度は,以下の2点について主に研究を行った. 1.ズーミングインタフェースの応用 ズーミングインタフェースの応用事例として,データフロー型ビジュアルプログラミング言語で記述されたプログラムの実行過程をモニタリングする方式を検討した.そして,実装と評価を行った.これは,一昨年度に行った研究を継続したものであり,プログラムの全実行過程を1枚の巨大かつ静的なグラフで表現する方式を採用している.そして,このグラフの中で,モニタリングに必要な箇所を対話的に閲覧するために,ズーミングインタフェースを利用している.今年度は,トレースビューという概念を導入し,プロセスに対する入出力の同時表示,依存関係の表示なども可能としている.また,デバッグに利用した場合には,バグの局所化を支援している. 2.さまざまな表示デバイスの統合利用に向けた基礎研究 昨年度行った壁面ディスプレイを利用したインタフェースとアプリケーションの作成に続き,今年度は,複合現実(mixed reality)に対応した表示方式とアプリケーションに関する研究を行った.今年度対象としたアプリケーションは,3次元グラフィックスによるキャラクタアニメーションの作成を支援するものである.ここで開発した方式を今までに開発した方式と組み合わせることにより,通常のデスクトップ環境,壁面ディスプレイ,ヘッドマウントディスプレイを統合した表示環境が構築可能となる.ただし,現実的なアプリケーションをこのような環境で動作させる段階にはいたらなかった.
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