研究概要 |
本研究では,ズーミングインタフェースの応用として,宣言的データフロー型ビジュアル言語の実行トレースの可視化とさまざまな情報を格納したディレクトリ構造の可視化に取り組んだ.また,デスクトップ環境以外への展開に関する研究を行った. 1.言型データフロー型ビジュアル言語で記述されたプログラムの全実行過程を1枚の巨大かつ静的な絵で表現し,複数焦点ズーミングインタフェースを用いて,このグラフの必要箇所に焦点をあてながら閲覧できる対話的可視化システムを試作した.この可視化システムでは,プログラム実行の任意複数箇所とそのコンテクストを同時に表示し,さらにユーザからのナビゲーション要求に応えることができる.また,トレースビューという概念を導入し,プロセスに対する入出力の同時表示,依存関係の表示なども可能としている. 2.ファイルシステムなどのディレクトリ構造を,複数焦点ズーミングインタフェースを用いて対話的に可視化表示するシステムの試作を行なった.このシステムでは,ディレクトリ構造の親子関係をたどるナビゲーション,キーワード検索によるナビゲーション,類似ファイル検索によるナビゲーションを支援している.焦点箇所と同時に,焦点箇所を直接または間接的に含むディレクトリの構造がコンテクストとして概形表示される点に特長がある. 3.将来の壁面ディスクプレイやウェラブル環境での利用を想定し,大画面表示や複合現実(mixed reality)の環境における基本的なユーザインタフェースの構築方式についても検討を行った.
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