研究概要 |
CT画像から三次元形状を復元し,その三次元形状を切削可能とするためには,三次元ボクセルを高速に表示することが不可欠である:今年度,共同研究者より入手した,頭部CT画像92枚より,512x512x92個のボクセルデータを作成した.ボクセルデータを半透明表示することにより,内部の構造も画面上で観察できる.このボクセルデータに対し,切削処理を仮想的に行うことで,手術計画や手術の練習を可能とする.切削により変化部位のみを高速に三次元表示するために,逐次画像更新法と呼ぶ方式を開発した.ボクセルを画面上に表示する(ボクセルレンダリングと呼ばれる)ためには,視線上のすべてのボクセル値を積算する必要がある.しかし,脳神経外科手術のように視線方向が変化せず,かつ,表面からしか切削が行われない場合には,遂次画像更新方式が適用可能である.逐次画像更新方式では,ある視線上のボクセルが削除された場合,その視線に対応する画素値の変化を視線上のボクセル値の積算値と削除されたボクセルの値から逆算して求めることが可能である.このため,画素値の計算時間の短縮が可能であり,仮想三次元モデル入の対話的な切削を可能とした.本方式によれば,従来法に比べ,約5倍の画面更新が可能で,対話的に仮想三次元モデルを切削可能である.また,時間的に変化する空間データを効率的に管理するためのデータ構造,および,医療画像や図面などのバージョン変化を効率めに管理する方式を開発した.
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