研究概要 |
本研究は,仮想空間中におけるフリーハンドの描画ジェスチャを空間図形として認識する基本技術「FSCI-3D」を確立し,それに基づいて正確な3次元CAD立体図形を一貫した直感的な操作で瞬時に生成できる汎用性に優れたヒューマンインタフェースを構築することを目的としており,本年度は下記の各知見を得た。 1 空間描画環境の整備 備品設備の「6自由度モーショントラッカー」を利用することにより,約2mx2mx2mの広範囲でジッターノイズやの少ない実用的な空間描画計測を行える環境を実現できることを確認した。現在はさらに,備品設備の「液晶ペンタブレット」と「液晶プロジェクタ」を利用して測定値の較正を行い測定精度の向上を試みている。 2 空間描画認識法FSCI-3Dの確立 上記の空間描画環境中でFSCI-3Dをチューニングし,その認識精度を評価した結果,2次元平面でのFSCIの認識率には及ばないものの、8〜9割程度の認識率が得られることが確認された。ここで,認識率低下の要因の一つとして,空間描画では描画サイズのダイナミックレンジが大きいという事実が影響していることが判明し,現在この問題への対策を試みている。 3 ファジー整形アルゴリズムの設計 FSCI-3Dの認識結果に対するファジースナッピング法を設計し、「スイープ図形」と「スイープ経路」を整形するアルゴリズムを実現した結果,その基本的動作を確認した。 4 スイープによる立体図形プリミティブ生成法の設計 スイープによる移動軌跡が表現する立体図形をVR空間中の立体図形プリミティブとして生成するための具体的なアルゴリズムを実装し,描画動作のみから立体図形プリミティブを生成することが基本的に可能であることを実証した。
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