研究概要 |
本研究は,仮想空間中におけるフリーハンドの描画ジェスチャを空間図形として認識する基本技術「FSCI-3D」を確立し,それに基づいて3次元CAD立体図形を直感的な操作で生成できる汎用的なヒューマンインタフェースを構築することを目的としていた。本研究ではこのようなユーザインタフェースとして「BlueGrotto」および「Grand BlueGrotto」と名づけた2種類の試作システムを没入型バーチャルリアリティー環境を利用して構築した。また、このインタフェースを用いることにより、立方体、直方体、球、円柱、円錐、トーラス、チューブ、回転体などを含め多種多様な3次元CAD図形プリミティブを直感的かつ一貫した操作によって入力できることを確認した。本ユーザインタフェースの概要は以下の通りである。 1.没入型バーチャルリアリティ環境中において、ユーザがペンでスイープ図形とスイープ経路を描画する。 2.FSCI-3Dが描画の状況からユーザの意図を推論することによりスイープ図形とスイープ経路を認識し、これらを線分、円、円弧、楕円、楕円弧、閉じた自由曲線、開いた自由曲線といった空間中の幾何曲線の組合せとして同定する。 3.インタフェースが同定された結果を自動的にスナッピングしてこれらを揃える。 4.必要に応じて、ユーザがペンによる編集インタフェースを利用して同定結果の微調整を行う。 5.インタフェースがスイープ図形をスイープ経路に沿ってスイープすることにより3次元のCAD図形を生成する。(例えは、円を円弧に沿ってスイープすることにより球が生成される。)
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