研究分担者 |
松野 浩嗣 山口大学, 理学部, 助教授 (10181744)
阿久津 達也 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (90261859)
久原 哲 九州大学, 農学研究院, 教授 (00153320)
丸山 修 九州大学, 数理学研究院, 助教授 (20282519)
篠原 歩 九州大学, システム情報科学研究院, 助教授 (00226151)
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研究概要 |
本年度は,cDNAマイクロアレイデータからの知識発見に関する情報科学的基礎付けを,データの情報特性,遺伝子ネットワークモデル,ネットワーク同定の計算量及び実験量,データからの学習方式,仮説生成アルゴリズム及びネットワークシミュレーションの観点から体系的に行うことを目的として,次の研究を行なった. 1.遺伝子ネットワーク同定のための計算量及び実験量に関する基礎理論:Qualitativeネットワークモデルを提案し,遺伝子発現の時系列データから,遺伝子ネットワークや代謝系の質的関係を推定するためのアルゴリズムについての成果を得た.また,Booleanネットワークモデルに対しては,ネットワークの入次数が定数で限定されているときに,行列の積の計算を上手く用いることにより,これまで得られていたものよりも効率のよいネットワーク同定が理論的には可能であることを示した.また,疎なネットワークの学習法についても検討した. 2.遺伝子ネットワークのシミュレーションの基礎:これまで開発してきたHybrid Petriネットによる遺伝子ネットワークシミュレーションシステムを用いて,いくつかの遺伝子ネットワークについての知識を記述しシミュレーションを行なった. 3.仮説生成方式の研究:これまで開発してきたHypothesisCreatorというC++ソフトウエアライブラリを発展させ,知識発見の基礎研究を行なった. 4.cDNAマイクロアレイデータの情報特性の研究:同じパン酵母に対して,異なる実験室で出されたcDNAマイクロアレイデータを比較し,その正規化法を検討した.
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