研究概要 |
化学用の知識情報システムを開発するため,本年度は次の項目について検討した。 1.有機合成情報構築システムの開発. 有機反応を表示する虚遷移構造から,各種部分構造を抽出するアルゴリズムを再編し,規格書(S.Fujita 「Computer-Oriented Representation of Organic Reactions」370ページ.出版準備中)としてまとめた。部分構造のうち2節部分グラフおよび正準名のプログラミングを行った。さらに立体化学的な観点を追加するため,プロキラリティ・(プロ)ステレオジェニック性などを組織的に抽出するための方法を研究した。分子構造の立体化学的な関係を示すために,holotopic,hemitopicなる術語を提案した。有機構造式をタイプセットするためのシステムとしてXyMTeX(キュムテック)を開発した。 2.有機反応の量子化学計算の有効利用システムの開発. 分子の対称性を取扱うための研究を行った。とくにDooh対称性について群論的な考察を行い.エタン誘導体の組合や論的な数え上げによる計算を行った。さらに高い対称性をもつキラル分子の組織的な設計法について研究した。
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