研究概要 |
化学用の知識情報システムを開発するため、前年度に引続き次の項目について検討した。 1.有機合成情報構築システムの開発 有機反応を表現する虚遷移構造から、各種反応情報を抽出するアルゴリズムを再編する作業を終了し、S.Fujita著"Computer-Orientes Representation of Organic Reactions", Yoshioka Shoten x+370pp(2001)として刊行した(英文)。これは平成13年度科研費・研究成果公開促進費(学術図書、135305)の補助金によるものである。虚遷移構造を基礎として、反応形式を列挙するアルゴリズムの研究を行い、C言語により実装した。また既存の有機反応データベースを虚遷移構造をキーとして検索できるようにするため、検索エンジンとしてITS Producer(虚遷移構造発生ソフトウェア)を作成した。さらに立体化学的な観点を取込むため擬点群法によるシクロヘキサン誘導体の立体化学の解明を行った。Sphericity概念が立体化学や立体異性の記述に関して本質的な意義をもつことを明らかにした。 2.有機反応の量子化学計算の有効利用システムの開発 分子の対称性を取扱うための検討を行った。VSLI法と特性単項式法の比較を行い、組合せ論的な数え上げが化合物の総数を見積る上で有効であることを明らかにした。
|