研究概要 |
本研究では,人の直感,感性,身体性,空間性等を最大限に活用した柔軟な直接操作インタフェースを構築するため,オブジェクト指向マルチモーダルインタフェースを提案し,これを用いた仮想環境の構築と操作のためのシステムを試作し,評価する.これにより,次世代のユーザインタフェースの基盤技術確立を目指す. 本年は,操作対象に実体を持たせ,実際に操作している感覚を利用者に与える方法を確立するため,対象物の属性を変化させる操作意図を直感的かつ容易に入力する手段を用意し,かつ実世界のオブジェクトとその計算機内の表現(仮想世界表現)との間にコンシステンシーを確保し,さらに操作意図の入力装置とその結果を表示する出力装置を一体化して,因果関係が明快で直感的であるようなユーザインタフェースを試作した.試作したオブジェクト指向のインタフェースは,ブロック型であり,ある機能や目的を連想させる物理的形状を有し,しかもその属性(形,色,機能,動作,等)を変更することができる.また,ユーザの意図や実世界の環境情報を取り込むためのセンサを装備し,計算機の内部情報やシミュレーション結果を提示するためのディスプレイシステムやアクチュエータを装備している.そして,実世界のオブジェクトとその仮想世界表現の間のコンシステンシーが保たれるという特徴がある. さらに本年は,人工物に比べて操作することが難しい植物の操作に注目し,仮想環境の中で利用者の高度な要求に対応できるインタフェースを備えたシステムのために必要な操作と基本処理を検討した.まず,利用者の操作意図に応じて動的に植物データ構造を変更し,管理するための手法を検討し,これを用いて自由度の高い操作を可能にする両手インタフェースを構築した.
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