研究課題/領域番号 |
12480098
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
西谷 紘一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10029572)
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研究分担者 |
黒岡 武俊 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (90273846)
山下 裕 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (90210426)
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キーワード | 思考状態推定 / 脳波データ / 生理指標 / ニューラルネットワークモデル / プラントオペレーション / 緊急対応 / オンラインモニタリング / アダプティブ エイディング |
研究概要 |
昨年度試作した10極の脳波データを用いたオンライン・リアルタイム思考状態モニタリング装置を使って、数学問題解答時の被験者の思考状態を推定し、推定精度の評価を行った結果、3つのモード(自信、推測、混乱)の正認識率および誤認識率の平均がそれぞれ68%、9%になった。これによってリアルタイムで思考状態を測定することに目処をたてることができた。 次に、より簡単に測定できる生理指標を用いて思考状態を測定する方法について検討した。脳波以外の生理指標として、心電、瞬目、呼吸、発汗、脈波、体温、それぞれについて、ニューラルネットワークモデルによって思考状態を推定した結果、心電、瞬目、呼吸曲線が使えることがわかった。しかし、思考状態のモードごとに推定精度のよい生理指標が異なることから、これら3種類の生理指標を併用して思考状態を推定する新しい複合モデルを考案した。この結果、被験者の日変化にも適応して、各モードについて安定して60〜70%の精度で推定できることを確認した。比較的容易に測定できる心電、瞬目、呼吸曲線のデータによって、10極の脳波データと同程度に思考状態が推定できることがわかったことから、これらの生理指標を用いたモニタリングが有望と考えられる。 一方、オペレータの思考状態がある程度の精度で測定できた場合の具体的な利用方法を検討した。ある重要なプラントについて実施されている緊急対応訓練において、ヘアバンドのように装着する無線式簡易脳波計を用いてオペレータの脳波データを収集して思考状態の推定を行った。この結果、精度は落ちるが、ある程度の思考状態の推定が出来ることが分かった。また、この情報を用いてアダプティブに訓練シナリオを変更する方法を提案した。
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