研究概要 |
平成12年度の研究を受け,現実の密度やアクティビティーを,どのように理論に取り入れるかの研究に重点を置いた. 1.現実のアクティビティーの密度をどう捉えるかについて追求する.現実の移動は一様であることはなく,ある2地点間が多かったり,別な2地点が少なかったりするもので,2次元の2点すなわち4次元空間の濃い薄いという密度で表現される.この密度を推定することができれば,現実の問題に的確にアプローチが可能である.そこで現行のOD調査に代表されるような起終点の分かる調査と,起終点がわからない交通量調査のような2種類の調査を併せて,前述の4次元の密度が推定できるかという問題に取り組んだ.これには理論的側面だけではなく,人口密度や都市施設の集積等の2次元上のアクティビティーの分布も必要であり,G.I.S.やCADを用いて現実のデータ作業も必要になった. 2.一様な直線を介した計算に密度をどう取り組むか 前年度の3.一様な直線を介する計算で追求した結果に,現実の密度をどのように取り入れるかが重要な課題となる.現段階ではこの一様な直線を介した計算に最も期待できるという予想があるが,これは4次元の計算を2次元で行うため,アクティビティーの密度も4次元でなく2次元で与えればよいからである.さらには直線を介した計算であることから,これをもとにネットワークと平面を結びつける基礎にもなるので,連続平面と離散のネットワークとの関係についても結論を出せるはずである. 以上の課題1.2.については未だ解決できない問題も多く,本年度の成果として陽に出せるものは少ないが,理論的には特に2.に関して進んだものと考えている.
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