研究の実績は概ね以下のとおりであり、予定通り遂行された。 1 研究環境の整備:本研究課題実施のため、3種類の眼球運動計測システムを構成した。 (1)可搬式(新規購入;トークアイ):船橋での見張り行動の計測・データ分析用 (2)非接触型(新規購入;フリービュー):シミュレーション実験用 (3)両眼式(手持ち機器改善):両眼眼球運動の分析用 2 航海実験の実施:以下の3回の研究航海に参加した。 (1)神戸〜四国沖〜九州沖〜瀬戸内海〜神戸 (2)神戸〜四国沖〜豊後水道〜瀬戸内海〜神戸 (3)神戸〜瀬戸内海〜豊後水道〜瀬戸内海〜神戸 3 研究内容:これらの研究航海において以下の課題について研究を実施した。 (1)船橋における操船者の行動の特徴を明らかにした。 (2)見張り時の視線分析を出入港時、船舶輻輳地帯、太平洋上などで行い、その特徴を明らかにした。同時に見張りにかんする熟練者と初心者の違いを明らかにした。 (3)見張り作業に伴う視覚機能の変化を、視力、MTF、色弁別、CFF、運動距離閾などを対象に計測し、照度変化に対して色弁別機能が大きく変化することが示された。
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