研究課題/領域番号 |
12480115
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 靖 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助教授 (30214191)
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研究分担者 |
桂井 誠 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70011103)
石田 昭男 新潟大学, 理学部, 教授 (30108013)
長山 好夫 核融合科学研究所, プラズマ計測研究系, 助教授 (10126138)
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
林屋 均 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (80313013)
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キーワード | 球状トカマク / 逆転磁場配位 / 第2安定化 / ブルーニング不安定 / プラズマ合体 / 磁気リコネクション / 絶対極小磁場 / 反磁性 |
研究概要 |
平成13年度は、1)TS-4装置におけるスフェロマックの異極性合体による逆転磁場配位(FRC)の生成およびそれを用いた超高ベータ球状トカマク(ST)生成の成功、2)BALL00安定解析コードを用いたモデル安定解析による実験の第2安定化の立証、3)2種類の合体によるSTの急速加熱と対応する安定解析を用いたバルーニング不安定の検出成功と不安定領域の実験的同定、4)上記合体によるSTの急速加熱・立ち上げのスケーリング則の発見、5)プラズマ・核融合学会への球状トーラス研究調査専門委員会の設立等の多くの成果があがった。昨年度購入したトロイダルコイル用高速立ち上げ電源を十分に活用し、合体で生成したFRCにトロイダル磁場を50マイクロ秒程度で印加して超高ベータ球状トカマクの平衡を形成した。TS-3とTS-4装置におけるSTの熱圧力計測によれば、最終的に生成される超高ベータSTが第2安定領域に位置し、バルーニング不安定が回避されることが立証できた。また、STの合体加熱とFRCの平衡遷移によるSTの高ベータ化の過程をBALL00安定解析コードによって解析したところ、STのバルーニング安定限界は電流分布がホローになるほど、圧力分布が平坦になるほど大きくなること、反面、限界を越えると、モード数が30を越える高n磁場揺動が急増し、配位が崩壊することが明らかになった。また、合体を用いたSTの急速加熱のスケーリング則を検証し、その加熱エネルギーが磁場の2乗に比例して増加することを見出した。密度一定ならば1T程度の磁場で10keV程度が得られ、今後の大型化に向けた見通しを得た。また、これらの成果を基に小野、長山、高瀬が中心となって球状トーラス研究調査専門委員会を立ち上げ、3年の内にSTの炉としての将来性をプラズマ物理と炉工学の両面から明らかにするべく、国内研究体制を整えるに至っている。
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