極限ベータ磁場配位における磁気圧縮加熱

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12480119
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 岡田 成文 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40135661)
• 研究分担者: 大久保 衛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50243168) ; 杉本 敏司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70187665) ; 後藤 誠一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029140) ; 井 通暁 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00324799) ; 吉村 智 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40294029)
• キーワード: 磁場反転配位 / 極限ベータ配位 / 磁気圧縮加熱 / ミラー磁場 / 磁気プローブ / 閉じ込め改善

研究概要

これまで用いられてきたエネルギー源のうち、化石燃料はその資源の枯渇以上に燃焼生成物による環境汚染が深刻な問題となっている。又、原子核分裂炉は放射能汚染さわた廃棄物を1万年オーダーで管理しなければならないという弱点を持っている。これらの問題を大巾に軽減することを目的として核融合の研究が行われている。このうち磁場閉じ込め核融合においては閉じ込め磁場の圧力に対するプラズマ圧力の比、すなわちベター値が大きい程効率の良い炉を構成できる。とくに磁場反転配位(FRC)プラズマは極限的に大きなベータ値を持っており、このため中性子発生が他の方式より格段に少ない燃料を用いることができる。ところが、これまでFRCプラズマを生成する研究は行われてきたが、これを維持し、更に核燃焼状態まで持ち込むための研究は殆ど行われていない。
本研究課題は、このような状況を克服するための一歩としてFRCプラズマの磁気圧縮加熱を企画している。本研究課題ではFRCプラズマの閉じ込め特性を改善できる可能性のある方法としてFRCプラズマを閉じ込めているミラー磁場の問題を減少させ、これによってプラズマを軸方向のみに磁気圧縮することを考えている。このような圧縮を実現するためには、立ち上がり時間100マイクロ秒以下、磁場強度0.2テスラ程度で真空チャンバー内に設置できる高電圧、大電流コイルが必要で、これを設計、製作した。これと同時に、このコイルに電力を供給するための充電器を設計・製作した。これらを用いて試験を行い、とくにコイルの真空チェンバーへの支持機構の電気絶縁構造に改良を加えることにより、FRCプラズマを30%軸方向に圧縮する予備実験を行うことができた。

研究成果

• [文献書誌] 岡田成文: "FRCプラズマの能動制御-定常維持に関する要素研究"プラズマ・核融合学会誌. 77・2. 83-91 (2001)
• [文献書誌] S.Yoshimura, et.al.,: "Internal magnetic probe measurement in heating experiment of field-reversed configuration plasma by applying fast rising magnetic pulse"Transactions of Fusion Technology. 39. 378-381 (2001)
• [文献書誌] Y.Suzuki, et.al.,: "Two-dimensinal numerical equiliblia of field-reversed configuration in the strong mirror field"Physics of Plasmas. 7・10. 4062-4069 (2000)
• [文献書誌] K.Yamanaka, et.al.,: "Heating experiment of field-reversed configuration by low-frequency magnetic pulse"Physics of Plasmas. 7・7. 2755-2758 (2000)
• [文献書誌] T.Asai, et.al.,: "Experimental evidence of improved confinement in a high-beta field-reversed configuration plasma by neutral beam injection"Physics of Plasmas. 7・6. 2294-2297 (2000)
• [文献書誌] K.Kitano, et.al.,: "Axial length and separatrix radius behavior of field-reversed configuration plasma in a dynamic compression of mirror distance"Physics of Plasmas. 7・4. 1158-1162 (2000)