研究課題/領域番号 |
12480119
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 成文 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40135661)
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研究分担者 |
大久保 衛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50243168)
杉本 敏司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70187665)
後藤 誠一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029140)
井 通暁 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00324799)
吉村 智 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40294029)
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キーワード | 磁場反転配位プラズマ / FRCプラズマ / 磁気圧縮 / 断熱圧縮 / 高ベータ / 閉じ込め / 加熱 / スケーリング則 |
研究概要 |
磁場反転配位(Field Reversed Configuration : FRC)プラズマの閉じ込め改善と両立し得る加熱法としての軸方向磁気圧縮実験について先年度までにプラズマ長を1/3にまで圧縮できることを実証している。今年度は圧縮の最適化を図るために、まず、時間変化する磁場内での反磁性信号測定系を開発し、プラズマの挙動を明らかにできるようにした。これは、通常の反磁性プローブ(ピックアップコイル)信号から軸方向圧縮用ミラー磁気コイル電流により生ずる磁場の影響を引き去ることで実現した。この際、周囲にプラズマが存在する真空容器内に設置されたコイルのシースに逆電流が生じない様な絶縁対策に留意した。このような測定系を用い、これまでに行ってきた軸方向圧縮に関する計算機シミュレーションの結果と比較することにより、実際のプラズマの挙動を明らかにすることができた。即わち、プラズマ径が20cm程度であることに対し、各々の圧縮コイルは軸方向に60cmの長さがあり、印可したミラー磁場増大とともにプラズマは径方向に圧縮され、プラズマ中の磁場強度も増大する。軸方向圧縮は、このプラズマ内の磁場強度が充分大きくなってから磁力線の張力による急激な収縮の形で生ずる。この収縮は音速程度に達し、プラズマの部分的な過膨張が生ずる。この過膨張が移送時のプラズマの運動により増巾されるのを避け、閉じ込め特性が沈静した後、プラズマ径が移送直後の最大値を取った後捕捉磁場磁束減少とともに減少している時点で行なわねばならないことを明らかにした。また、圧縮はプラズマ中の音波伝播時間と磁束減衰時間の間に設定しなければならないが、この範囲が狭く、そのため軸方向圧縮により得られる最大径に制限が生じることも明らかとなった。この減衰の影響も考慮することにより圧縮過程は断熱理論により説明できることを示し、今後の圧縮研究のための指針を得た。
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