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2000 年度 実績報告書

プラズマ波動カオスの制御実験

研究課題

研究課題/領域番号 12480121
研究機関九州大学

研究代表者

河合 良信  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (10038565)

研究分担者 羽鳥 尹承  神奈川大学, 理学部, 教授 (80023729)
キーワードイオン音波不安定性 / 間欠性カオス / ダブルプラズマ / カオス制御 / 相関次元 / バースト信号 / ドリフト速度 / 埋め込み法
研究概要

本研究においては、プラズマの輸送現象と最も関連が強いと考えられる不安定系における波動カオスの制御を目的としている。さらにカオスの制御機構を明らかにする。カオスの制御は、Ott,Grebogi,Yorkeにより初めて理論的に示された(OGY法)。その後、いくつかの方法が提案され、現在、TDAS法(Time-Delay Autosynchronization)が最も観測可能なカオス制御理論として考えられている。ここでは、定在波型の不安定性の励起には正帰還が必要であることに着目し、帰還系に摂動を与えることによりカオスの制御を試みた。
ダブルプラズマ中に二枚のメッシュ電極を設置し、一方の電極に直流電圧を印加することにより電流駆動型イオン音波不安定性を励起した。次に、電流をを上昇させて系を間欠性カオス状態にした。他方の電極に負DC電圧を印加し、正帰還系に摂動を与えることによりカオスの制御を試みた。
(1)励起される不安定波動をプローブで受信し、その周波数スペクトルを周波数分析器により測定し、電流の増加とともに波のエネルギーが大きくなり、乱れてくることを確認した。
(2)ディジタルオシロスコープにより測定した時系列データから、埋め込み法により相関次元及びリアポノフ数を計算し、系がカオス状態にあることを確認した。さらに、バースト信号の間隔の統計分布及び、f^<-1>スペクトル(f:周波数)を持つことから系は間欠性カオスであることが分かった。
(3)次に、他方のメッシュグリッドに負電圧を印加し、カオスの制御を試みた。この場合、不安定性の成長率に比例するドリフト速度を平面プローブの両面の電子飽和電流の差から求めた。
(4)負電圧を印加し、ディジタルオシロスコープにより測定した時系列データから、(2)で行ったと同様なカオスの解析を行い、間欠性カオスが周期運動に移行することを確認した。
以上のことから、イオン音波不安定性に起因する間欠性カオスが負のDC電圧の印加により制御されたと結論される。また、制御電圧(V)を印加した電極に流れる電流(I)を測定した結果、V-I特性にヒステリシスが存在することが見出された。今後はフィードバック回路と位相計を接続して、TDAS法によるカオス制御を行い、ここで得られた結果と比較する必要がある。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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