研究課題/領域番号 |
12480127
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
東井 和夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20093057)
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研究分担者 |
大館 暁 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00270489)
長壁 正樹 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (90280601)
磯部 光孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00300731)
中島 徳嘉 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (30172315)
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キーワード | ヘリカルプラズマ / 高速イオン励起 / アルヴェン固有モード / 高速イオン損失 / HAE / バースト的モード / 内部輸送障壁 / 高速周波数掃引 |
研究概要 |
大型ヘリカル装置LHDの中性粒子入射(NBI)加熱プラズマにおいて、高速イオン励起MHDモードと高速イオン閉じ込めへの影響に関する研究を推進し、下記の新しい成果を得た。(1)観測された高速イオン励起トロイダルアルヴェン固有モード(TAE)は、関連するギャップ位置に依存してコア局在的TAE(C-TAE)と大域的TAE(G-TAE)に大別されることを示すとともに、C-TAEは偶数及び奇数モードが共存する例も見出した。(2)プラズマ電流により回転変換がある特定の値を通過して増加するとき、C-TAEが2本のグローバルアルヴェン固有モード(GAE)に分離される現象を観測した。これは、JT-60Uの負磁気シアトカマクで観測されている現象と同様でありそれと共通した物理がある。(3)高ベータプラズマにおいて観測されたTAE周波数の8倍以上の高周波モードは、3次元磁場構造においてトロイダルモード結合を考慮して計算したアルヴェンスペクトルとの比較からヘリシティ誘起アルヴェン固有モード(HAE)であり、プラズマ周辺部に局在していると考えられる。(4)観測されたTAEによる磁場揺動は、高速イオンとMHD揺動との強い非線形相互作用によりその振幅はバースト的となりその周波数は高速に掃引される。(6)バースト的TAEは、NBIにより生成される高速イオンの約30%を過渡的に損失させるとともに、一方では内部輸送障壁形成に寄与し主プラズマ閉じ込め改善をもたらすことも明らかとした。 また。コンパクトヘリカル装置CHSでは、高速イオンの存在しない低温・低密度プラズマにおいて、挿入した電極を用いて選択的にシアアルヴェン波摂動を誘起した安定なTAEを励起した。この実験より、摂動に対する伝達関数法を利用して固有周波数と減衰率を直接測定した。 LHD及びCHSにおいて、アルヴェン固有モードの高速イオン及び外部磁場摂動を利用した2種類の励起法によりヘリカルプラズマのアルヴェン固有モードスペクトロスコピー研究において当初の目的に加え、重要且つ新たな知見を得た。
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