研究課題/領域番号 |
12480129
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
藤澤 彰英 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60222262)
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研究分担者 |
松岡 啓介 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (70023736)
濱田 泰司 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20023723)
井口 春和 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (40115522)
佐貫 平二 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (80109355)
伊藤 公孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50176327)
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キーワード | CHS / 重イオンビームプローブ / 輸送障壁 / 自律振動 / ヘリカルプラズマ / 電場 / 分岐性 / プラズマ振動 |
研究概要 |
核融合科学研究所にある小型のステラレーター装置CHSでは重イオンビームプローブを用いて高温プラズマの中心部の電位や揺動の観測を行ってきた。本研究の目的は、もう一台の重イオンビームプローブを製作・設置し、(1)自律振動や輸送障壁形成時における電場の時空間的な変化と微視的揺動の変化の関係、MHD定常揺動あるいはMHD不安定性が成長する過程での電位の相関など、プラズマの構造形成に関する新たな知見を得る事である。 その準備として、本年度は、昨年度の200keVの加速器部分の製作に続き、エネルギー分析器の製作を完了させた。その後、分析器の較正(焦点の設定)をテストスタンドにて終了後、加速器と分析器をCHSに取り付け、真空部分およびビーム制御系を整備し、2つめの重イオンビームプローブシステムが目前となっている。 2号機の製作中、重イオンビームプローブ一号機を用いて得たデータを整理した。CHSステラレーターの電位分布のパターンを詳細に調べ、プラズマの電子密度の分布に対しどのように分岐して行くかを解析した。その結果、CHSの電位分布は大きく5つのパターン(井戸型、メキシカンハット型、丘型、ドーム型、ベル型)の形状を示し、電子密度を下げてゆくと、パターンが丘型からドーム型へと初めに分岐すること(第一分岐)、そしてさらに電子密度を下げると、ベル型への分岐が生じること(第二分岐)、が分かった。さらに、この低密度領域の3つの分岐パターンが出現は、この3つの型のパターンを行き来する自律振動状態をもたらし、プラズマ中の電場がプラズマ物性に与える影響の大きさを示している。そしてCHSの観測はプラズマの構造分岐をおもしろさ一典型例となっている。本年度は、このCHSで得られたプラズマの分岐の観測を、他のステラレータやトカマクとの比較を行い論文にまとめた。2号機の製作とともに、学術的にも本年度に予定された成果が得られている。
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