研究課題/領域番号 |
12480132
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉本 信正 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20116049)
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研究分担者 |
渡邉 陽介 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (30304033)
吉永 隆夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (40158481)
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キーワード | 音響孤立波 / 非線形波動 / 熱音響現象 / 熱音響熱機関 / 熱音響原動機 / 音響ソリトン |
研究概要 |
本年度は、実験装置設計のためのシミュレーションを行うことを目標にしている。音響孤立波や方形波パルスに対して温度勾配をつけるとエネルギー増幅が得られるというこれまでの結果を改めて確認した。音響孤立波を発生させた装置を念頭に実験条件を設定し、特に増幅を大きくする工夫は施していないが、かなりの増幅が得られた。熱機関に用いるループ管では、温度の上昇と下降が生じるが、この場合のシミュレーションは来年度に持ち越すことになった。前半の部分の内容については、国外では国際理論応用力学連合(IUTAM)シンポジウム(マンチェスター)や同連合総会(シカゴ)で発表し、国内では日本流体力学会年会(京都)や日本理論応用力学連合講演会(東京)でも発表し、現在論文を纏めている。 また、実験では、定在波を用いた熱音響式熱機関に用いられ、また音響式コンプレッサーとしても利用できる可能性のある装置を試作し、平衡圧(現在は大気圧)の30%の圧力変動を発生させることに成功した。今年度の目標は50%であったが、30%でも世界的にみてリニアモーターを用いたコンパクトな装置でこのような大きな値はこれまで達成されていない。特に、衝撃波を伴わない大きな圧力変動が発生できたのは注目に値する。当初目標の50%は工夫次第で近いうちに到達できそうで、来年度達成を目指している。これが実現できれば、最低0.5気圧から最高1.5気圧の変動が発生でき、その比は3倍になり、これを用いれば従来型の熱音響式の熱機関でも大きな出力が得られることが期待される。
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