研究概要 |
本研究では、非常に重要な長寿命核廃棄物であるTc-99およびI-129の中性子捕獲断面積と捕獲ガンマ線スペクトルをkeV中性子領域で精度良く測定し、既に我々が測定した19安定核種及び長寿命核種のNp-237と共に測定結果を理論解析することにより、高速中性子捕獲反応機構を解明する。本年度は以下の3項目について研究を遂行した。 1 Tc-99についての測定 中性子源としては、ペレトロン加速器から得られるナノ秒パルス化陽子ビームによるLi-7(p,n)Be-7反応で発生するパルス化keV中性子を用いた。中性子飛行時間法を用いて、中性子捕獲反応から発生する即発ガンマ線を高感度ガンマ線検出装置で測定した。データ処理が行なわれた後、捕獲反応断面積及び捕獲ガンマ線スペクトルが得られた。 2 主BaF_2ガンマ線検出器の設計・製作 上記の高感度ガンマ線検出装置を「超高感度化」して少量のI-129試料(0.5g)について測定を行うためには、主検出器をNaI(Tl)からバックグランド中性子に対して感度の低いBaF_2検出器に変更する必要がある。このBaF_2検出器の設計・製作を行った。 3 I-129試料の設計・製作 不純物の影響が少なく化学的に安定で、高精度の測定結果を得られるI-129試料について検討を重ね、化学系としてNaIを選択し、0.5gの測定用試料の設計・製作を行った。
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