研究課題/領域番号 |
12480141
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石橋 健二 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00159766)
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研究分担者 |
中村 尚司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70026029)
有馬 秀彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20253495)
執行 信寛 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40304836)
明午 伸一郎 日本原子力研究所, 中性子科学研究センター, 研究員
高田 弘 日本原子力研究所, 中性子科学研究センター, 研究員
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キーワード | 連続エネルギー中性子入射 / 中性子生成断面積 / ホスウィッチ型検出器 / NaIシンチレータ / プラスチックシンチレータ / 反跳陽子法 |
研究概要 |
本年度は、(n,xn)反応の連続エネルギー中性子入射中性子生成断面積測定のために必要な検出器の特性を調べた。 米国ロスアラモス国立研究所LANSCE施設の担当者との打ち合わせの結果、加速器からの信号とターゲット直後の検出器、最終位置の中性子検出器からの信号を用いた飛行時間補償法では、施設のビーム強度が弱く統計精度を満足するデータが得られないと予想された。 そこで、中性子入射中性子生成ターゲットと検出器間の距離を短くし、生成された中性子を反跳陽子生成ラディエータに入射させ、そこから最前方に放出される陽子をNaI無機固体シンチレータで検出する方法を採用した。この場合、検出器の前面以外から入射した陽子は検出器に全てのエネルギーを付与するとは限らない。このような事象を弁別するために、発光の減衰時定数が長いNaIシンチレータの周囲を時定数が約40分の1のプラスチックシンチレータで包んだホスウィッチ型検出器を考案した。この検出器を用いることで単位時間当たりに収集できるデータ量が増え、十分な統計精度を得られると予測された。 ホスウィッチ検出器の形状をNMTC、GEANT等のシミュレーションコードを用いて最適化した。また作製した検出器の動作特性をガンマ線標準線源や宇宙線を用いて調べた。さらに放射線医学総合研究所HIMAC重イオン加速器施設においてArビームを鉛ターゲットに照射して生成された連続エネルギー中性子を用いて検出器の動作特性を調べた。この結果、検出器からの電気信号を短い時定数を持つ微積分回路を通すことにより、NaIシンチレータとプラスチックシンチレータからの信号を弁別できることが確認された。 また、本年度はLANSCE施設での実験を予定していたが、同施設が火災のため一時閉鎖され、施設の利用期間が大幅に短縮されたため、申請者らが実験を行う時間を得られなかった。
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