研究課題/領域番号 |
12480144
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 教幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10261348)
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研究分担者 |
成田 尚史 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (50250501)
大田 啓一 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教授 (80022250)
田上 英一郎 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50133129)
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キーワード | 泥炭層 / 気候変動 / インドネシア / 花粉 / エレメンタルカーボン / 森林火災 / 同位体 / 乾燥化 |
研究概要 |
インドネシア西ジャワ島に位置するカルデラ湖ラワダナウ湖泥炭堆積層柱状試料のコア-(コア-長362cm)を採取した。コア-に際しては撹乱による乱れのない連続した試料を採取するため、インドネシア科学院地質工学研究所で特別にデザイン、製作した陸上用のピストン柱状試料採取器を使用した。試料採取地点は湖北側の開墾のために2年前に火入れを行い放置されている場所を選定した。ピストンコア-では表面付近の乱れが避けられないので、チューブを手でゆっくり押し込んで表層32cmのコア-も採取した。採取したコア-は約2cm間隔で地磁気測定用8cc立方体容器3個と残りをビニール袋に分取した。現在までのところ、乾燥化(森林火災)の指標であるエレメンタルカーボンの化学分離を終了、同位体分析の準備に取りかかっている。まだ正確な含有量測定まで終了していないが、化学処理後の残さ量から非常に大きな含有量の変遷が期待されている。有機カーボン含有量と炭素同位体比、C/N比測定は全試料について終了した。C/N比は他の陸上生態系の値よりも極端に低い値で変動が少ないと言う結果が得られている。炭素安定同位体比ついては粘土含有量が高くなると軽くなる傾向がみられた。これは2000年に試掘した泥炭試料でえられた結果と一致している。年代決定はインドネシア地質調査研究センター、第四紀研究所の放射性炭素年代測定施設と日本原子力研究所陸奥事業所AMSによって測定が予定されているが、現在までのところ測定準備中で年代データはない。来年度からは花粉分析をインドネシア科学院地質工学研究所が行うことになっている。バイオマーカ分析はアルケノン、PAHs、脂肪酸等を予定しているが、他の分析項目の分析結果を待って、具体的にどの化合物の分析を実施するかを決定する予定である。 スベリ-島で熱帯林の数種に年輪を発見し、試料を日本に持ちかえっている。この試料の年令を放射性炭素で推論するとともに、年輪(?)幅解析を実施したいと考えている。
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