研究課題/領域番号 |
12480145
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伴 修平 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助手 (50238234)
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研究分担者 |
磯田 豊 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (10193393)
工藤 勲 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (00195455)
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キーワード | 珪藻ブルーム / 生食食物連鎖 / 微生物ループ / メソ動物プランクトレ / マイクロ動物プランクトン / 植物プランクトン / バクテリア / 溶存有機物 |
研究概要 |
北海道沿岸に位置する噴火湾湾奥部において、春季ブルーム直前から夏季に渡って月1-2回、表層から10m間隔で水温、塩分、栄養塩類を測定し、動・植物プランクトンおよびバクテリア計数用の試水を採取した。同時に一次生産およびバクテリア生産を測定し、5m深度においては、植物プランクトンの増殖速度と摂食ロスを測定した。珪藻の春季ブルームは、水温3-4℃下で2月中旬から始まり、3月の中旬まで続いた。この間、メソ(中型)動物プランクトンバイオマスは常に低く、これらによる摂食ロスも極めて低い。マイクロ(小型)動物プランクトンバイオマスはブルームと共に増加したが、これによる植物プランクトンに対する摂食ロスもほとんどなかった。一方、バクテリア生産はブルームと共に増加する傾向を示すものの、バイオマスの増加は見られなかった。これらはマイクロ動物プランクトンによる摂食ロスが影響していることを示唆しており、ブルーム期間中は、植物プランクトンから動物プランクトンへ直接つながる生食食物連鎖はほとんど機能しておらず、植物プランクトンが排泄する有機物によってバクテリア生産が増加し、これらをマイクロ動物プランクトンが摂食することで間接的に動物プランクトンへつながる微生物ループが相対的に重要であることを暗示する。
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