研究課題/領域番号 |
12480148
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小泉 博 岐阜大学, 流域環境研究センター, 教授 (50303516)
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研究分担者 |
川島 博之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30161318)
小見山 章 岐阜大学, 農学部, 教授 (60135184)
秋山 侃 岐阜大学, 流域環境研究センター, 教授 (10283318)
鞠子 茂 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (10251018)
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キーワード | 土壌呼吸測定システム / 土壌呼吸速度 / 炭素循環 / 生態系純生産量 / 落葉広葉樹林 / ススキ草原 / 伐採直後 / 空間変動 |
研究概要 |
平成12年度は以下の点を明らかにした。 1.土壌呼吸測定システムの改良を行った。具体的にはガスのサンプリングユニットを改良し、新システムを1台作成した。土壌呼吸チャンバー4基からのサンプルガスをコンピュータ制御により自動的に切り替えて赤外線ガス分析計(IRGA)に送るシステムを作成し、土壌呼吸速度の測定を開始した。 2.対象としている各種生態系において、生態系純生産量を推定するために以下の測定を行った。 (1)岐阜大学流域環境研究センター高山試験地の40年生の冷温帯落葉広葉樹林を対象に、土壌表面および雪面からのCO_2のフラックスを測定した。土壌からのCO_2フラックスは7〜8月に最も高い値を示し、その値は600〜650mgCO_2m^<-2>h^<-1>であった。また積雪期においても雪の表面から30〜50mgCO_2m^<-2>h^<-1>のCO_2のフラックスが認められた。さらに、土壌および雪面からのCO_2フラックスは大きな日変化を示さなかった。 (2)筑波大学菅平高原実験センター構内に保全されているススキ草原を対象にして、携帯型土壌呼吸測定装置(LI-COR6400)により、土壌呼吸速度を測定した。土壌呼吸速度の空間的な変動を調べた結果、変動係数は16〜35%で、森林や農耕地ほどバラつきは大きくなかった。また、このススキ草原における測定期間を通しての土壌呼吸速度は、夏期に向かって増加(974〜1558mgCO_2m^<-2>h^<-1>)し、8月に最大(1652mgCO_2m^<-2>h^<-1>)となり、その後は減少した(344〜579mgCO_2m^<-2>h^<-1>)。とりわけ、夏期の土壌呼吸速度は他の報告よりも著しく高い値であった。 (3)冷温帯落葉広葉樹林の伐採直後の森林を対象に、土壌表面からのCO_2のフラックスを測定した。土壌呼吸速度は10月に545±280mgCO_2m^<-2>h^<-1>の値を示した。さらに土壌呼吸と環境要因との関係を比較してみると地温と高い相関を示した。
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