研究課題/領域番号 |
12480154
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
熊谷 忠 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90089805)
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研究分担者 |
寺西 美佳 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (10333832)
日出間 純 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (20250855)
山本 和生 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (20093536)
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キーワード | 紫外線B / イネ / 光修復(回復)酵素 / 紫外線耐性機構 / クリプトクローム / ファイトクローム / シクロブタン型ピリミジンダイマー / アントシアン |
研究概要 |
(1):CPD光回復酵素をコードする遺伝子PHR1においては、(1)5'側領域のGC含量の割合が75%、3'側領域のGC含量の割合が50%と、これまでに唯一植物からクローニングされているアラビドプシス(同じType II光回復酵素)と比べGC含量が高い、(2)CPD光回復酵素遺伝子から転写されるmRNAは、exon5でのスプライシングの違いにより506アミノ酸残基(光回復酵素活性をする)と364アミノ酸残基(活性を有さない)のORFをコードしていた。(2):UVB誘導CPDを植物は主として光回復酵素によって修復する。暗黒下で生育したイネ黄化幼植物からの光修復能力の誘導はフィトクロームによって調節される。この光誘導が光回復酵素遺伝子phr1の光発現調節の結果によるのか、PHR1の光活性化を含む転写後の調節によるのかを解析し、phr1の転写は、ファイトクローム、クリプトクロームによって制御されていることを見出した。(3):多量のUV吸収物質を蓄積する紫イネと台中65号(T-65)との戻し交雑により得た、T-65の遺伝的背景を有し、葉内UV吸収物質含量が高い準同質系統(NIL)を用いて、UVB誘導CPDの生成とUV吸収物質の蓄積量との関係について解析した結果、(1)T-65と比べUV吸収物質を多量に蓄積しているNILの生育、可溶性タンパク質、Rubisco含量はUVB付加によって著しく低下した、(2)生育期間中、葉内に存在しているCPD量は、chronic UV-B exposureによって増加したが、その量はNILの方がT-65と比較して常に高い、(3)UV吸収物質の蓄積は短時間のUVB照射(challenge UV-B exposure)によるCPD生成量を軽減する、(4)アントシアニン量の蓄積はBlue/UVAを吸収してCPDを修復する光回復酵素の活性も低下させることが分かった。
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