研究課題/領域番号 |
12480161
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
藤江 幸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30134836)
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研究分担者 |
後藤 尚弘 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50303706)
胡 洪営 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30262976)
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キーワード | 無機系窒素排水 / 金属鉄 / 硝酸・亜硝酸 / 不溶性電極 / 鉄電極 / 硝酸還元速度 / 転換率 / 促進還元技術 |
研究概要 |
現在、無機系窒素排水を高濃度に含む排水の処理には生物学的脱窒素法が主に使用されている。しかし、生物学的脱窒素法においては電子供与体として有機物が必要であるため、無機系窒素排水ではメタノール等の添加の代替が処理コストの上昇をもたらしている。そのため、無機系窒素排水に適した新たな処理技術の開発が急務である。そこで、硝酸・亜硝酸イオンの促進還元技術(ARP)の開発を目的とし、金属鉄を用いた硝酸・亜硝酸性窒素の還元の特性に加えて、硝酸イオン除去速度の向上と装置のコンパクト化をめざして、不活性電極および鉄電極を用いた電解の導入を検討した。 30mM-N(NaNO_3,NaNO_2)をモデル排水として、初期pHを硫酸によって2〜7の範囲に調整し回分方式で還元処理の実験を行った。気相を酸素置換したフラスコに1N HClで表面を洗浄した鉄粉(80メッシュ)を加えて。内温度(25℃)及びpH(設定値)を一定に維持し、攪拌しながら反応を進行させた。 pH4以上では硝酸還元速度は低いが、4以下に低下すると還元速度が急激に上昇した。どのpHにおいても硝酸還元速度は硝酸濃度のほぼ一次反応であると見なせた。生成物については低いpHではアンモニアであり、窒素ガスへの転換率は低かった。亜硝酸についても同様の実験を行い、亜硝酸還元速度は亜硝酸濃度のほぼ一次反応であり、反応速度は遥かに高いこと、弱酸性条件でも窒素ガスへの転換率が高いことが明らかになった。以上のことから、金属鉄を添加することで、硝酸及び亜硝酸の還元が可能であり、pHをコントロールすることで、反応速度及び生成物を制御できることが明らかになった。加えて、不活性電極を用いた電解操作の導入によって、単位電力量当たりの硝酸還元量、電極単位面積当たりの還元速度などが明らかになった。
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