研究分担者 |
土谷 岳令 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20227432)
清家 泰 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30243421)
高安 克己 島根大学, 汽水域研究センター, 教授 (00127490)
矢部 徹 国立環境研究所, 生物圏環境部, 研究員 (50300851)
林 建二郎 防衛大学校, 建設環境工学科, 助教授
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研究概要 |
汽水性の海草コアマモの成長ついて昨年度からの継続観察と実験を行い,水温15℃が成長にとってクリティカルであること,開花シュートは前年秋の成長停止直前の地下茎の節から出ることなどがわかった.埋土実験では,細砂,粗砂ともに5cmまではシユートが地上部に出てくるものの,10cmよりも深く埋まるとシュートが出ないことがわかった.湿生植物オオクグについては,地上部・地下部ともに塩分の影響を受け,淡水条件下で最も活発な成長を示し,海水の塩分の50%程度がその分布の限界であることが明らかとなった.また,今回の調査地では,オオクグは汀線側のヨシと陸側のセイタカアワダチソウという2種の高茎草本に挟まれる形で群落を形成していたが(時に混在),これらの関係は水位を介しての微妙なバランスのうえに保たれていることが示唆された.さらに各種植物の酵素多型について検討した結果,コアマモはひとつのパッチや個体群に複数のジェネットが混在,または隣接するのが普通と考えられたが,宍道湖・中海水系という限られた水域の中でも地点間の遺伝的交流は制限されていると考えられた.また,オオクグでは,新たなジェネットが生じることが非常に希であることが推測された.
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