研究分担者 |
土谷 岳令 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20227432)
清家 泰 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30243421)
高安 克己 島根大学, 汽水域研究センター, 教授 (00127490)
矢部 徹 (独)国立環境研究所, 生物圏環境研究部, 研究員 (50300851)
林 建二郎 防衛大学校, 建設環境工学科, 助教授
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研究概要 |
(1)汽水の湿生植物オオクグの繁殖生態に関して,大橋川河口左岸部に発達した群落において,野外観察とアロザイム解析を行った.2002年5月結実期の種子生産数は7000-14000粒m^<-2>だった.親株の被陰効果を知るため,刈り取り区と非刈り取り区を設定して区間の芽生えの出現を追ったところ,刈り取り区では4-7月にかけてわずかに芽生えが見られたが凡て4週間以内に死亡した,非刈り取り区では芽生えは見られなかった.また,アロザイム解析の結果,個体群は主に地下茎成長による栄養繁殖で維持されていると考えられた. (2)汽水域の海草コアマモに関しては,5,10,25,50,100%濃度に調整した人工海水を用い,それぞれの塩分下での約1ヶ月間の成長を,春と秋の2度追跡した.その結果,春には5%濃度から100%濃度にかけて徐々に成長がよくなる傾向が見られたが,秋には有意な差が見られなかった. (3)コアマモやアマモ等の沈水植物およびアサザ等の浮葉植物に作用する流体力とその消波機能特性について継続して調べた。これら沈水植物や浮葉植生の波動場中での揺動現象は複雑なため,現地に生育している実植生を用いた波力特性および波に対する動揺特性を室内水理実験により調べ,これら植生群が有する消波機能の評価法を検討した。 (4)波動運動に対する砂基盤の移動特性に及ぼす植生の影響を室内水理実験で調べた。特に、植生の存在により生ずる局所洗掘現象と植生群中の流れの乱れ特性について検討した。横須賀の鴨居海岸に生育しているアマモ場中に砂面測定器を設置し、波浪に対する砂基盤の変動特性を調べた。中海の大井海岸における湖底土砂の移動特性を現地観測により調べた。
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