研究課題/領域番号 |
12480165
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
古川 憲治 熊本大学, 工学部, 教授 (60029296)
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研究分担者 |
藤井 隆夫 崇城大学, 工学部, 教授 (80165331)
森村 茂 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (20230146)
松永 勝彦 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (90001619)
杉野 浩幸 崇城大学, 工学部, 助手 (90258434)
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キーワード | Anammox / NH_4-N / NO_2-N / 窒素安定同位体 / 不織布 / カラムリアクタ / Planctomycete / Zoogloea ramigera |
研究概要 |
短冊状(2x34cn)にカットしたポリエステル製不織布を充填したカラムリアクタ(反応槽容積2.5L)に1年間馴養したAnammox汚泥27gを投入しNH_4-NとNO_2-Nを主成分とする無機培地を上向流で供給した。その結果、最終的に1.25kg-N/m^3/dという高いT-N除去速度を得た。更なるAnammox汚泥の集積を目指し、反応槽容積が15Lのアクリル製のカラムリアクタを作製した。これに菊花状の不織布をcm^2充填した後、2.5Lのカラムリアクタからの馴養汚泥をそのまま植えつけて連続処理試験を継続した。その結果、滞留時間13時間で流入T-N濃度500mg/Lの排水を安定して70%の効率で除去することができ、Anammox汚泥の大量調製の目途がついた。また、ジャーファーメンタを使った懸濁法での培養では、担体の投入が不可避であることが分かり、種々の担体を検討した結果PVAゲルピースが有効であることを認め、PVAゲルピース共存下で回分法でAnammox汚泥の集積を図っている。 Anammox反応の反応機構を明らかにするために、^<15>NH_4^+を使って生成する窒素ガスの同位体組成比を検討した。その結果、^<29>N_2が90%を占め、NH_4-NとN0_2-Nがほぼ1:1で反応し、Anammox反応の起こっていることを確認できた。 馴養したAnammox汚泥の細菌相を分子生物学的な手法を使って検討した。馴養に成功したAnammox汚泥はPlanctomycete、Zoogloea ramigera、Aquaspirillium methamorphumの3種の細菌で構成され、検出されたPlanctomyceteは16S rDNAの塩基配列の解析結果から新しい種のAnammox細菌であることがわかった。さらに、定量的PCR法でその構成比を検討した結果、Planctomycete、Zoogloea ramigeraが優占種で、それぞれの存在比は9:1であった。Anammox汚泥の担体に付着し易い性質は、Anammox細菌と共生するZoogloea ramigenaの特性によるものであると推察している。
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