研究課題/領域番号 |
12480168
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
宮田 秀明 摂南大学, 薬学部, 教授 (80167676)
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研究分担者 |
中尾 晃幸 摂南大学, 薬学部, 助手 (20288971)
青笹 治 摂南大学, 薬学部, 助手 (20248066)
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キーワード | 難分解性有機汚染物質 / POPs / 黒松針葉 / 大気 / 汚染評価法 |
研究概要 |
大阪府枚方市の二地点において経週的に捕集した大気試料を用いて、難分解性有機汚染物質(POPs)のうち、ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフランおよびコプラナーPCBの濃度変動を明らかにした。大気試料は公定法に従ってハイボリュームエアーサンプラーを使用し、24時間に1,000m^3を捕集した。しかし、経週的な濃度変動は極めて大きく、一定期間における平均濃度を評価することは困難であることが判明した。風速、気温、湿度等の気候条件とPOPs濃度には相関が認められないことから、発生源におけるPOPs排出濃度は経時的に大きく相違することが示唆された。本結果から、信憑性の高い大気中POPs濃度を評価するためには連続捕集試料が不可欠であるとの結論に達した。従って、柴田化学機械工業株式会社と共同して新規ローボリュームエアーサンプラーを製作した。 POPs数種類の^<13>C_<12>-ラベル化体をサンプリングスパイクとして使用し、本サンプラーの性能を検討した。40L/分の捕集速度で1週間〜1ヶ月間連続して大気を捕集し、POPsを分析した。一方、ハイボリュームエアサンプラーによっても大気を経日的に連続して24時間捕集、1週間〜1ヶ月間のコンポジット試料を調製し、分析に供した。同一捕集期間における両試料のPOPs濃度はほぼ同じであり、また、本機によるサンプリングスパイクの回収率は1ヶ月間まで低下しなかったことから、本機は一ヶ月の連続大気捕集が可能な性能をもつことが判明した。現在、同一地点において黒松針葉と大気を捕集し、POPsを計測しており、黒松針葉を指標試料とした簡易かつ高精度の大気中POPsの汚染評価法が構築できるものと考えている。
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