研究概要 |
(1)再構成法を用いた蛋白質表面での光合成反応中心の構築法の確立(九大:浜地、築地) ルテニウム錯体を光増感剤、ヘムを電子供与体、環状ビオロゲンを電子受容体としたカテナン型トライアッド分子の合成に成功し、アポミオグロビンと再構成することによって光合成反応中心を表面に構築した半合成ヘムタンパク質が調製できることを、CD,NMRなどで構造的にキャラクタリゼーションで確認した。 (2)異なる蛋白質マトリックスへのトライアッド合成分子の組込み(九大:浜地、築地) 蛋白質マトリックスの効果を明瞭に理解するためには、マトリックスのない系との比較だけでなく、異なる蛋白質マトリックスを利用することが重要である。我々が持っているシトクロムb562を利用するために、シトクロムb562でも再構成法が適用できることを明らかにした。 (3)レーザーフォトリシスによる電荷分離過程および寿命の評価(北里大:大石、築地) 光エネルギー変換効率に最も重要な電荷分離状態の観察は、時間分解レーザーフォトリシス(過渡吸収測定)実験で行い、(北里大:大石教授)光誘起電子移動過程、電荷分離寿命と量子収率に焦点を当てて、上記で半合成したヘム蛋白質類の機能評価ができる目途を付けた。
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