1)分泌蛋白のジスルフィド結合の形成をトランスフェリンをモデル分子として調べた。その結果、この酸化は内腔において不均一に進行し、新生分子に選択的であり、またEro1αにより促進される過程であることが示された。この選択性はEro1αのBiPとの結合によって引き起こされ、その結合阻害は新生トランスフェリンの酸化を阻害した。2)tyrosinaseのfoldingは可逆的な凝集物形成との平衡において進行する事を見いだし、これを利用してリソソーム膜蛋白の輸送を同期させることでゴルジ体での細胞膜蛋白との選別を示した。3)Oculocutaneous Albinism Type1はtyrosinaseの変異によって引き起こされ、これら変異分子は小胞体内でカルネキシンからの解離と同期して分解される事を示した。4)小胞体内でミスフォールドした分子のプロテアソームによる分解を促進する因子として不活性型のマンノシダーゼ様膜蛋白EDEMを報告した。5)小胞体からのCOPII顆粒形成をdiacylglycerol kinase-deltaか特異的に抑制することを見いだした。
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