研究課題/領域番号 |
12480187
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村松 喬 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00030891)
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研究分担者 |
村松 寿子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50182134)
門松 健治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (80204519)
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キーワード | スルホトランスフェラーゼ / N-アセチルグルコサミン / L-セレクチン / L-セレクチンリガンド / オリゴ糖合成 / 糖タンパク質 / 血液凝固 |
研究概要 |
N-アセチルグルコサミン-6-スルスルホトランスフェラーゼ1(GlcNAc6ST-1)遺伝子のノックアウトマウスを作成した。このマウスのGlcNAc6ST-1が完全に欠失していることは、サザンブロッティングとノーザンブロッティングで確認した。ノックアウトマウスは正常に生まれ、目立った異常は示さなかった。現在バッククロスを重ねており、リンパ球ホーミング能との関連について解析を急いでいる。 ヒトGlcNAc6ST-1をプロテインAとの融合タンパク質としてTn5細胞でバキュロウィルス系で発現させた。組み換え体酵素をIgGセファロースカラムクロマトグラフィーで精製した。精製酵素の特異性は哺乳類細胞で発現したGlcNAc6ST-1と同じであった。精製酵素を6-スルホGlcNAcβ1-3Galβ1-4Glcの合成に利用した。産物はMALDI-TOFで同定した。この産物は6-スルホGlcNAcに比べて、マウス大腸ミクロソーム画分のガラクトシルトランスフェラーゼによって、より効率的にガラクトシル化された。一方フィブリノーゲンを脱シアル化および脱ガラクトシル化した後、精製GlcNAc6ST-1とPAPSにより、6硫酸化した。硫酸化に伴ってトロンビンによるクロッティング時間が減少した。脱シルアル化により、クロティング時間は増加することが判明している。すなわち、陰電荷がクロッティング時間の減少に寄与していると考えられる。バキュロウィルス産生GlcNAc6ST-1はN-アセチルグルコサミン6硫酸化のための好適な試薬であると結論できる。
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