研究課題/領域番号 |
12480188
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 維昭 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90027334)
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研究分担者 |
森 博幸 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (10243271)
秋山 芳展 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (10192460)
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キーワード | ジスルフィド結合 / 呼吸鎖 / レドックス制御 / ペリプラズム / 大腸菌 / Protein folding |
研究概要 |
ジスルフィド結合は、大腸菌ではペリプラズム空間において、膜を越えて輸送された蛋白質に対して導入される。ジスルフィド結合形成は、システイン残基の酸化という単純な化学反応であるが、生体内で有効に起こるためには特異的因子による補助が必要である。大腸菌ペリプラズムにおいては、ジスルフィド結合導入酵素DsbAとそのリサイクリングに働く膜タンパク質DsbBが重要な役割を果たしている。DsbBは4回膜貫通蛋白質であり、二つのペリプラズム領域に活性に必須のシステイン残基を2個ずつ持つち、呼吸鎖成分(キノン分子)がDsbBのCys41-Cys44モチーフを強力に酸化して活性型に維持していることを明らかにしてきた。呼吸鎖とDsbBのカップリング機構を明らかにするため、DsbBの変異解析を行い、呼吸鎖成分による酸化を受けるために重要なDsbBの領域を同定した。DsbBの第1ペリプラズムドイイン(活性部位モチーフCys41-Val-Leu-Cys44を持つ)の変異解析から、CXXCモチーフと膜との間に位置するIle45-Tyr46-Glu47-Arg48部分が呼吸鎖による酸化には特に重婁であり、この領域の特定のアミノ酸残基よりは、残基の数が4個であることが重要であることが示唆された。DsbBのCys41,Cys44残基が、膜の脂質層に溶解したキノン分子と効率よく反応するためには、膜表面から一定の距離に存在する必要があるとのモデルを提唱した。Dsb因子のCXXC酸化還元活性部位は、特異的なレドックス状態に保たれるよう厳密な制御を受けており、この制御はいずれも膜蛋白質を介して、細胞の基本メタボリズムに連なるかたちでなされている。
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