研究課題/領域番号 |
12480190
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
米澤 一仁 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (70283900)
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研究分担者 |
吉野 健一 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (90280792)
原 賢太 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (70294254)
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キーワード | アミノ酸バランス / ラパマイシン / mTOR / 蛋白合成 / 細胞成長 / 細胞周期 / p70S6キナーゼ / DT40細胞 |
研究概要 |
(1)免疫抑制剤として知られるラパマイシンの標的蛋白mTORがアミノ酸バランスを感知し、蛋白合成系・細胞成長・細胞周期を制御する中心分子である事の証明:チキンB細胞であるDT40細胞は、高率にhomologous recombinationを起こす故、細胞レベルでの種々情報伝達分子のknockoutが行なわれ、それらの機能解析に役立っている。チキンTORのキナーゼドメインのエクソン・イントロンをクローニングし、それを使って、ターゲティングベクターを作製。1つめのalleleの破壊を数回試みたが、viableな細胞の獲得にいたっていない。現在、mTORをテトラサイクリンでon-offできる系をDT40細胞で確立し、ついで、knockoutを行なう予定である。 (2)mTORを介するシグナル伝達系、特に、細胞成長・細胞周期制御に及ぼすアミノ酸およびその誘導体の効果の解析:我々は、アミノ酸のうち、特にロイシンがアミノ酸によるp70S6キナーゼの活性化に大きな役割を果たしていることを示してきた。ロイシンの誘導体の中に、ラパマイシン感受性細胞株であるJurkat細胞の細胞周期を完全に阻害するものを発見し、この誘導体が、p27kip1の発現を増加し、Retinoblastoma蛋白の脱リン酸化を起こすことを発見した。 (3)mTORを介する情報伝達系に関与する新規シグナル伝達分子の探索:yeast two hybrid systemを用い、mTORのフラグメントをベイトに複数のmTOR結合蛋白の候補遺伝子を単離した。 (4)ハイブリッド型質量分析計を用いたmTORキナーゼのリン酸化部位の同定:mTORのリン酸化部位を、新型ハイブリッド型質量分析計を用いて分析した。その結果、mTOR上の複数のリン酸化候補部位が同定され、その部位の変異mTORを作成し機能への効果を検討中。
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