研究概要 |
本研究では,ミトコンドリア数が劇的に増加増殖(増生)している全身性カルニチン欠乏マウスであるJVSマウス(juvenile visceral steatosis mouse)の心筋細胞に着目し,ミトコンドリアの増生に係わる分裂と融合に関わる蛋白質複合体を解明することを研究目的として,以下の研究成果を得た. 1.Differential Display法によるミトコンドリアが劇的に増生しているJVSマウスの心臓からのミトコンドリアのバイオジェネシスに関わる遺伝子の単離 JVSマウスの心筋細胞で発現しているmRNAと正常マウスでのmRNAとの差をDifferential Display法を用いて調べたところ,JVSマウスの心筋細胞で特異的に発現している697,480,351,663,442,630bpsの6種の未知遺伝子(部分的なcDNA)を発見した.これらの塩基配列について,Genomnetの最新のデータベースでサーチしたが,同一のものは見出されず,新規の遺伝子断片であることが判明した. 2.Thymidine double block法によるHeLa細胞の細胞周期の同調培養とミトコンドリアの形態変化の観察 ミトコンドリア移行シグナルを付加した蛍光蛋白ベクターpDsRed-Mit oを50〜70%の高効率で各種動物細胞にトランスフェクションさせる実験条件を確立させ,ついでThymidine double block法によるHeLa細胞の細胞周期の同調培養に成功,細胞周期によりミトコンドリアの形態がどのように変化しているかについて,FACSとタイムラプスデコンボルーションCCD蛍光顕微鏡を用い,世界に先駆けて観察に成功した.
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